2017.1.5 南蛮芋頭水指

桃山時代に大変持て囃された水指に
南蛮芋頭というものがあります。
下膨れの形の容器にハンネラの蓋が添ったものです。
インドシナ半島おそらくラオス・カンボジアあたりで
焼かれた粗末なやきもので
酒を容れる壺として作られたものと思われます。
それにハンネラの蓋を合わせた
その詫びた風情が当時の茶人の心を捉えたものでしょう。
日本人町に居た人々が見立て
「黄金の日々」を担った納屋衆が堺に運んだものです。
秀吉・利休など錚々たる茶人が旧蔵したと伝えられる
名品が遺されていますが
その意匠は古田織部によって伊賀や唐津の水指にも生かされ
更に江戸時代には中国景徳鎮にも発注されるほど
芋頭の水指はその後も茶人に愛され
各地の窯場で作られ続けています。
写真の作品は島津法樹氏がラオスの窯跡から発掘し
タイ・アユタヤの川底から引き上げた
ハンネラを合わせたものです。


                
南蛮芋頭水指