伊賀耳付花入   IH-1 伊賀水指(砂金袋) IM-1 伊賀花入  IH-2 伊賀花入  IH-3 伊賀耳付花入   IH-4
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伊 賀

信楽と伊賀とは峠ひとつ超えたばかりのところに位置しています。
よく似たやきもとと云われますが、生い立ちが対照的に違います。
信楽は農民によって1000年に亘って雑器として作られたのに対して、
伊賀は江戸初期に当初から茶陶を目的として焼かれました。
古田織部が指導したと云われています。
「伊賀の七度焼き」といわれ何度も窯に入れるため、
膨大な赤松の薪と労力を要しました。
当時としても莫大な経費を要したため、織部と親しい
伊賀の藩主藤堂高虎がスポンサーになったといわれています。
その後資金が続かず、やがて40年程でその伝統は絶えてしまいます。
そのため「古伊賀」と呼ばれる当時のものは大変貴重で、
数少ない伝世品は多くが重要美術品となっています。

耐火度の高い土で赤松の薪を使って1350度以上の高温で焼かれますが、
信楽と違い全部がオキ(薪は一旦燃えた後、真っ赤におきた炭になります。)に
埋まって焼かれるため、黒いコゲと灰が熔けた自然釉のビードロがたっぷりとかかります。
「伊賀にコゲあり、信楽にコゲなし」といわれる所以です。
さらに何回も窯に入れられるため、複雑な化学変化を起こし、
無釉とは思えない美しく豪快なやきものになります。
また、火に近いところで何度も焼かれるため割れが生じます。
現存する古伊賀の名品は殆どが割れています。

杉本さんはひとつの穴窯で信楽と伊賀を両方焼けるように工夫しておられますが、
伊賀は窯の中で壊れてしまうものも多く、完品で取り出されるものはごく僅かです。