2016.12.08  長次郎-2

利休の求めにより長次郎が初期に作った赤茶碗は縁が外に反った
熊川茶碗のような形でした。高麗茶碗を範に取ったものでしょう。
そして、後に「宗易型」と呼ばれる
内に抱え込んだような形になります。
利休の創意がそこに込められています。
赤楽に次いで黒楽。
赤楽は透明釉だけで発色は胎土から発していますが
黒楽は長石釉を掛けて焼かれ、
その中の鉄分により黒く発色します。
同時期に美濃では瀬戸黒が焼かれていますが
同じ成分の釉薬で、焼成中に取り出し
急冷させることにより発色します。
美濃の影響で長次郎の黒が生まれたのかどうかは
現在のところ詳らかになっていませんが、
影響し合ったことは間違いないところでしょう。