2016.12,18  長次郎と華南三彩

東京国立博物館に長次郎作と伝えられている
三彩瓜文平鉢が収められています。
意外に知られていないのですが、
楽家には初代長次郎から
三彩の技術が伝えられています。
長次郎の父親は「唐人あめや」という人で
おそらく中国から華南三彩(素三彩)の技術を携えて
我が国に招来されたのではないか
従来から長次郎は瓦職人と言われていますが
その言葉から受けるイメージとは違い
高度な技術を持った陶工だったのだと思います。
当時の中国は明朝末期の乱れた時代で
江戸初期にかけて多くの遺民が
日本にやってきています。
長次郎を見出した千利休も出自は
朝鮮半島にあるという説もあります。
日本独自の文化を育んだ茶の湯には
東アジア延いては東南アジアの文物まで
取り入れるという自由で豊かな精神が読み取れます。


      
東京国立博物館蔵